今回は、セドナの土地から少し離れた場所の話をしましょう。セドナの周辺にはネイティブ・アメリカンの居留地がいくつかありますが、その中でも、最古のネイティブ・アメリカンと呼ばれているのが「ホピ族」。
彼らはセドナから車で3時間程度の居留地で暮らしています。「平和の民」を意味するホピ族の人々は、高い精神性を継承していることでも知られています。そんな精神性を象徴した有名なものとしては、「ホピ族の予言」と呼ばれるものがあります。
代々の長老によって口伝で語り継がれてきたこの予言によると、世界は何度も繁栄と滅亡を繰り返しており、現在は4回目の時代なのだそうです。ちなみに、第5の時代が訪れると地球自体が滅亡されるとされており、このようなホピ族に伝えられてきた予言は、それぞれの時代の大きな事件をすべて的中させてきたともいわれています。
彼らはマヤ文明の子孫だとも、古代アトランティスの子孫だともいわれていることからも、その精神性、スピリチュアリティの高さがうかがえますが、そんな彼らが大切にしている存在として「カチナ」「カチーナ」と呼ばれるものがあります。こちらは、ホピ族を滅亡の危機から救ったという存在なのです。
あるとき、酷い干ばつによってホピ族は滅びる寸前になっていました。そんなときに、セドナを含む、ホピ族の周辺の土地に宿っていた精霊たちが、彼らを救うために人間の姿となって現れてきたものが「カチナ」なのです。このために、カチナとは、日本語でいえば「精霊」といったような意味合いをもっています。
カチナはその力によって、ホピ族の人々を助け、さまざまな場面で力を貸してくれました。しかしながら、いつしかホピ族の人々がカチナの力に依存し、自分たちで努力をしなくなったために、彼らは自らの住居である神聖な山へと帰ってしまったのだそうです。このために、現在ではカチナは存在していないわけですが、その力を借りるために、ホピ族の人々は儀式を産み出して、自らの守護神ともいえるカチナを呼び出したりするようになりました。
いったい、どのようにしてカチナを呼び出すのか? カチナにはどんな種類があるのか? それらカチナの詳細については、次回紹介したいと思いますので、お楽しみに!